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書評『にゃんたとおつきさま』
居住する地域のエコマルシェで仲間とボランティアとして「絵本のかえっこ」でお子さんへの支援をしている。いかに子どもの目線の高さで本を並べるか、ひそかに読んでほしい絵本をお子さんの目に留まるように並べるなど試行錯誤している。いつも感動するのは、ゴザを敷いたところで母と子が、あるいはお父さんが両膝の上にお子さんをのせて読み聞かせをしている姿である。
この絵本は、にゃんた君がお供えの「月見団子が減らないなぁ~」という小さな疑問をもち、お月様にお団子を届けたいと大きなお月さまに向けて走り出す物語。海まで走り続けるが、届けることができない。思案していると月は「にゃんた君の気持うれしいよ」と声をかけ、お月様のところまで体が登っていく。月に照らされた眼下には、たくさんのお家に団子がきらきらと輝いている。「月はお団子を食べないけれど、みんながお団子をつくり幸せに暮らしていることを月に見せているんだ」と十五夜お月様の由来を小さなお子さんにもわかりやすく説いている。
江戸時代から庶民に根付いてきた月見行事を考えるヒントの小さな物語。ぜひ、親子でご一緒に夜空を眺め、お月見や満月の意味を考えて下さい。夜空に輝く星や月のカタチが変化していく様子を親子で一緒に観測し、さらに他の宇宙の絵本を読みきかせてお子さんの夢を広げていただきたいですね。
2021年9月21日十五夜 小澤 紀美子
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にゃんた と おつきさま
さく:きみきみよ/え:みやかわさとこ
定価:1,210円 (本体 1,100円)
判型:B5上
ページ数:24
発刊日:2020/09/15
ISBN:978-4-286-21859-5
発行:株式会社文芸社
https://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-21859-5.jsp