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トピック
2021冬号|目次
不登校について考えてみる
不登校について考えてみる
《特集》不登校|発達障害|多様性|親の会
《特集》子どもの居場所|創造表現活動|子どもが育つまちづくり
2021夏号|目次
こどもとアート
《特集》創造性|生きる力|チルドレンズミュージアム
《特集》やりたい気持ちが原動力|溶解体験|予想外から生まれる世界
《世界》ドイツ・ベルリン|遊具デザイン|こどもの参画|こどもミュージアム|多様性|難民
《バトン》生活経営|エンパワメント|福島原発事故|子ども|遊び環境
《ブック&シネマレビュー》
2020冬号|目次
《特集》子どもアドボカシー|子どもコミッショナー|子どもの権利| 意思表明権
《特集》子どもの権利|子ども参加|児童館|子どもアドボカシー
《世界》スウェーデン・ストックホルム|ライフスタイル|身近な自然|遊び場
《バトン》生きること|住むこと|遊ぶこと
《ブック&シネマレビュー》
2020夏号|目次
《特集》オンライン|つながり|ユースワーク
《特集》相談|電話|悩み|チャット
2020夏号|あいさつ
《バトン》体力|動作|遊び
2020GW号|目次
《特集》感染症|ワクチン|休校措置
《特集》新しい生活様式|家庭|遊び
新着情報
特集テーマ:不登校について考えてみる 〜子どもが幸せに過ごせる学校・学び育ちの場へ〜
《目次》
1. 不登校を「私」の専門から考えてみよう(石田佳織)
2.《特集》 不登校問題についての一考察(穂積妙子) 不登校を考えてみる〜第3の現場から〜(新田新一郎)
3.《世界のこども環境》 柔軟なしくみで子どもたちを支援する(渡邊あや)
4.《バトンをつなぐ》 こどもも大人も育つ学校をつくる(井内聖)
5.《こどもの手と眼》 やじるしできたよ→(Hくん:8歳)
6.《この一枚!》 わあ。あった! hiro (仙台市・女)
7.《ブック&シネマ》 末富芳・櫻井啓太著「子育て罰「親子に冷たい日本」を変えるには」(仙田満) 岡本央著「ないないづくしの里山学校」(藤田大輔) きみ きみよ著, みやかわ さとこ (イラスト)「にゃんたとおつきさま」(小澤紀美子) 大豆生田啓友・大豆生田千夏著「非認知能力を育てる あそびのレシピ」「非認知能力を育てる「しつけない」しつけのレシピ」(神谷明宏)
8.《編集室から》
2021年冬号企画担当 園庭研究所 石田佳織
不登校児童生徒数が年々増加する中、こども環境学会誌では「不登校」を取り上げたことがないと聞き、2021年冬号でテーマとすることになりました。 不登校への取組や視点は様々ありますが、子どもの環境を考えるこの学会だからこそ出来ることがあるように思います。例えば、学校に行きづらい子どもにとっての学校や学校外の居場所での物的・空間的環境に関する研究は非常に少ないです。また、子どもに関わる人的〜物的空間的〜社会的環境、そして子ども〜家庭〜学校〜行政〜地域住民といった様々な分野・立場が共に考え取り組んでいくことで、学校に行き辛い子どもたちや家族の辛さは緩和されていくように思います。 本号が、全ての子どもが幸せに暮らし、豊かに学び育っていける環境を考える機会となれば幸いです。
2021年度こども環境学会 学会誌編集委員会・編集部会(2021.12.20現在)▼部会長(Webマガジン編集長)藤田大輔(福井工業大学)
▼部会員●愛甲哲也(北海道大学)●石田佳織(園庭研究所)●松村弘美(プランニング開)○伊藤祐基(大久保わかくさ子ども園)○田村光子(植草学園短期大学)○原...
自分を発見できる豊かな時期として過ごせる環境・仕組みづくりを
|不登校|発達障害|多様性|親の会|
つくば子どもと教育相談センター 代表 穂積妙子
はじめに 不登校問題を考える上で、我が国での不登校問題の歴史を知ることは大切です。1950年代から医学界では不登校(当時は学校恐怖症と呼ばれた)に関する論文があります。ここでは不登校の歴史と不登校への行政や学校の対応を述べ、また現在不登校児を持つ家庭の保護者が抱えている困難や悩みなどに言及したいと考えます。
写真1 靴下人形(小学校高学年女児が作成)
1. 不登校の歴史と、行政・学校の対応 はじめに、でも述べましたが不登校に関する論文は1950年代に精神分析理論を採用していた医師たちによって書かれています。ここでは不登校という言葉ではなく「学校恐怖症」と呼ばれ、精神疾患という扱いです。原因は家庭環境―母子密着や過保護と父親の無関心、とされていました。治療は母子分離をするための子どもの入院治療が推奨さ...
子どもがイキイキ生きる居場所とは
|子どもの居場所|創造表現活動|子どもが育つまちづくり|
アトリエ自遊楽校 新田新一郎
仙台のアトリエ自遊楽校は、週に1回(月4回)子どもたちが「自分をつくる」創造表現活動空間です。2歳からかかわると小学6年生まで10年間、卒業後大学生になってボランティアとしてかかわったり、その後、親になって自分の子どもを連れてきてくれたり、子育て相談の場にもなっているなど、「新しい地域コミュニティ」になりつつあるこの場所から不登校を考えてみました。
私は宮城県仙台市でいわゆる「第3の居場所」といわれる「アトリエ自遊楽校」(2歳〜小学6年生まで310名が在籍)という創造表現活動の場を開設しています。昨年まで宮城県が不登校者数4年連続最多であり、仙台市は3項目(不登校・いじめ・暴力行為)で20政令都市の中でワースト3に入っていることもあり、アトリエの中にも学校で苦戦している子どもがたくさんいます。アトリエでは「遊び」と「美術」が合体した「あそびじゅつ」というコンセプトで創作し表現する活動を行なっています。「図工」は教科書がありますが、「美術」の答えは一人ひとりの中にあると考えていま...
子どもたちが誰ひとり取り残されない教育をめざして
|社会的疎外|義務教育|JOPO|
渡邊あや(津田塾大学)
フィンランドの学校というと、とかく理想的なイメージで語られることが多い。実際、現地の学校を訪れ、のびのびとした子どもたちの姿や、いきいきと働く先生方の姿に触れると、「こんな学校で学んでみたい!」、「こんな学校で働いてみたい!」と思うことも多い。
とはいえ、生きづらさを抱えたり、学校で疎外感を感じたりしている子どもたちは、フィンランドにも存在する。2012年にEVA(フィンランド・ビジネス政策フォーラム)が発表した報告書は、フィンランド社会に衝撃を与えた1)。ここで指摘されたのは、9年間の基礎学校(日本では、小学校と中学校に相当)における学習の後、統計上から足取りが消えた若者の存在である。教育にも、労働にも、職業訓練にも参加しておらず、失業手当も貰っていない、社会の外で生きる若者が32,500人に及ぶこと、義務教育(当時)を修了したのみで職のない若者を含めると、その数は51,000人に達することが報告された。この数字は、若者人口(15~29歳)の5%に相当する。
こうした状況に対する危機感...
学校での偶発的な大人との出会いが生み出す経験と学び
|子ども|学校|地域|場づくり|
(学)リズム学園 井内 聖
平成30年北海道胆振東部地震
はじめまして、(学)リズム学園はやきた子ども園学園長の井内です。はやきた子ども園は新千歳空港から車で20分、人口約 7,500人の安平町にある学校法人立としては全国初の公私連携の私立こども園です。
北海道 安平町は平成30年に発生した北海道胆振東部地震(最大震度7)の被災地で、地震があったその日(深夜3時7分 )はちょうどお泊まり会の最中でした。幸い、園児にケガはなく無事に朝を迎えたものの北海道全域がブラックアウトし、しばらく大変な状況が続きました。
町全体にも大きな被害があったものの、震災を機に住民の手でもう一度まちをつくろうという機運が高まり、(1)子どもの遊び場づくり、(2)スポーツ環境、(3)多世代交流スペースを運営するNPO法人や一般社団法人が複数、設立されました。そのどれもが子どもに関わるものでした。
子どもにやさしいまち
これらの動きは市民活動レベルだけでなく安平町としても地域おこし協力隊を活用したプレーパークや遊び場づくりであ...
著者の末冨氏は京大出身の教育学者で、現在、日本大学文理学部教授である。共著者の桜井氏は大阪市大出身の社会学者で、現在、立命館大学産業社会部准教授である。子育て罰とはChild Penaltyの訳とされているが、子育てすることが社会的に罰を課せられている状態を指している。本書では「そうであってはならない。課す側の政治や社会に責任がある」とし、「子育て罰」を政治と社会の場からなくそうとする概念として用いている。桜井氏は自治体ケースワーカーとして働いた経験において、我が国の福祉の問題を実感したところから出発し、未冨氏は自身の子育て中に「駅でベビーカーを蹴られた」と実体験から、日本の社会における「子育てする親に対する冷たさ」を感覚的に捉えながら研究されている。本書ではそれぞれの経験・体験を通して、我が国のこども、子育てする親に対するさまざまな不合理を、実例を挙げて紹介している。我が国のこども、子育てに対する国家投資はヨーロッパ諸国と比して極めて低く、デンマークやフランスの2分の1から3分の1であるなど、政治のあり方についても問題提起している。とにかく驚くのはその改善策として、こども、親にやさしい日本に進化...
日本各地を旅してきた写真家である著者が、千葉県木更津市にある里山学校の日常を紹介した書籍である。里山学校は、古民家を中心とした約一万坪の里山が舞台で、保育園年長組が年間50日ほどを過ごす里山保育と、小学生が思い思いに過ごす土曜学校の両者からなる。活動は全てが魅力的で、泥んこ遊びのほか、焚火、小刀を使ったものづくり、車や自転車などの分解、生き物とのふれあい、昼ご飯のためのおかず収集・料理など多岐に渡る。少しでも服が汚れるとクレームを言う保護者もいる今日、泥だらけで健やかに笑う子どもたちの写真は心がホッとする。また、何かと他者の目を気にすることが多く、学校でも集団活動に重きが置かれている現在、子どもが「一人でいる」ことが担保されている貴重な場であることが描かれている。この書籍の中で宮崎園長は、大人が先回りして危険を排除している状況や多くのものが簡単に手に入ることを危惧し、子どもたちの要求がすぐには満たされないように工夫する必要性を力説している。特に保育・教育関係者や子育てをしている方々は、時たまページを開いて写真や文章を感じるだけでも、「子どもに対してどのように接するべきか」改めて考...
居住する地域のエコマルシェで仲間とボランティアとして「絵本のかえっこ」でお子さんへの支援をしている。いかに子どもの目線の高さで本を並べるか、ひそかに読んでほしい絵本をお子さんの目に留まるように並べるなど試行錯誤している。いつも感動するのは、ゴザを敷いたところで母と子が、あるいはお父さんが両膝の上にお子さんをのせて読み聞かせをしている姿である。この絵本は、にゃんた君がお供えの「月見団子が減らないなぁ~」という小さな疑問をもち、お月様にお団子を届けたいと大きなお月さまに向けて走り出す物語。海まで走り続けるが、届けることができない。思案していると月は「にゃんた君の気持うれしいよ」と声をかけ、お月様のところまで体が登っていく。月に照らされた眼下には、たくさんのお家に団子がきらきらと輝いている。「月はお団子を食べないけれど、みんながお団子をつくり幸せに暮らしていることを月に見せているんだ」と十五夜お月様の由来を小さなお子さんにもわかりやすく説いている。江戸時代から庶民に根付いてきた月見行事を考えるヒントの小さな物語。ぜひ、親子でご一緒に夜空を眺め、お月見や満月の意味を考えて下さい。夜空に輝...
乳幼児期の生活の全ては遊びで成り立っていることは言うまでもないことです。しかし、それはともすれば大人の都合で時間が制約される活動になり、時には失敗が許されない活動となってしまうことがあります。こどもの遊びを大切に考えている家庭でさえ親の気分によって、ある種の遊びはしばしば悪戯とされてしまうこともあります。これではこどもの非認知能力を育てることはできません。新たな幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領によれば、「遊びは自発的・主体的な活動であり、指導者主導の遊びからこども自らが遊び込むための支援と環境作りの視点」と遊びを捉えています。遊び込むことで非認知能力が育ち、10年後20年後に「解の無い問いに解を得ることのできる人材に育つ」のです。重要性については理解できても、その成果に結びつける具体的な方法について示されたものが少ない中、実際の体験から書かれた本書は貴重な存在だと思い推薦させていただきます。
(聖徳大学 神谷 明宏)
----書名:非認知能力を育てる あそびのレシピ 0歳~5歳児のあと伸びする力を高める著者名:著:大豆生田 啓友 著:大豆生田 千...
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